1.まずはメンバーの自己紹介をお願い致します。

Peter: アリ、デイヴ、ダン、ピーター、スコットがLifetimeのメンバーです。

2.バンドの再活動はどのような経緯だったのでしょうか?Ariはzero zero,Danはkiddynamiteやpaint it blackで活動していましたが他のメンバーは音楽活動はしていたのでしょうか?

Peter: そうだな、デイヴはアリと一緒にzero zeroで活動中で、実はスコットもしばらく彼らと一緒にプレイしていたんだ。僕自身はカリフォルニアのバンドで幾つかプレイしていたんだけど、単なる遊びだったんだ。

Dan: ピーターはJets to Brazilにもちょっといたんだ。スコットは何度かIgniteのツアーでプレイしていたと思う。僕らが興味のあるチャリティーのための大きなフェスティバルがあったから、一時的に再結成することになったんだ。数ヶ月間、一生懸命練習したけど、結局フェスティバルはギリギリになってキャンセルになったんだ。僕らは既にリハーサルに相当な労力を注いだことだし、それなら自分たちで何本かライブをやろうという事になり、ニュージャージーとフィラデルフィアで小規模なライブを3本やったんだ。ライブは最高で、みんなと一緒にとても良い時間を過ごせたから、もう少し一緒にプレイしてみて新曲でも書いてみようかという事になったんだ。今のところ、とても上手くいってるよ。

3.若いファンの中にはあなた達のことを詳しく知らない人もいると思いますのでここまで歴史を振り返って頂いてもよろしいでしょうか?

Dan: アリと僕が出会ったのが1990年。僕ら二人はアメリカ東海岸のニュージャージーで育った。その頃はインターネットなんか無かったから、フライヤーを作って近所のレコードストアの壁に貼ってバンドのメンバーを募集してたんだ。僕らはかなりアグレッシブなものが多い東海岸のハードコアシーン出身なんだけど、二人ともDescendentsやYouth Brigade、Allのようなカリフォルニアのメロディック・パンクも好きだったんだ。また東海岸には、Dag NastyやVerbal Assault、Gorilla Biscuitsのようにハードコアにメロディーを取り入れたバンドも幾つかいたんだ。僕らはそういった全てのバンドから影響を受けて、メロディックでキャッチーでもあるアグレッシブな音を打ち出すようになった。何人かのドラマーとベースプレイヤーを経て、僕らはやっと自分達に合った曲作りのプロセスを見つけ出すことが出来たと思う。1994年にピートとデイヴ、スコットが参加したことにより、バンド初期の頃に形成しようとしていたスタイルで曲を作り、プレイできるようになったんだ。チームとしてどうやって曲を書くのか、曲の一部じゃなく、どうやって曲を作るのかを僕らは学んだんだ。

4.あなたがたは多くのバンドに影響を与え続けていますが、バンドが結成した当初はどのようなバンドから影響を受けていたのでしょうか?

Dan: 影響を受けたバンドはMinor Threat、7 Seconds、SSD。他に、DescendentsやAll、Gorilla Biscuits、Verbal Assault、Dag Nasty、Turning Pointにも影響を受けたね。

5.個人的に再活動について大変嬉しく思っています。2年前のSXSWと去年のBamboozleでライブを拝見させていただきましたが素晴らしいライブでしたね。(特にSXSW)Bamboozleではステージの脇にMy Chemical RomanceやTaking Back Sundayのメンバーがいるのを観たのですが、親交はありますか?あなた方から影響を受けたバンドについてどう思われますか?

Dan: 上記のバンドの連中とは知り合いだけど、でも親交があるわけじゃない。お互いのことは尊敬し合っているよ、でも僕らは全く別の音楽をプレイしていると思うんだ。

Peter: ちょっと待ってくれ。もしかして君はSXSWのライブの後にEmoの場所の外で僕が話した人かな??ライブの後に、日本から来た人と僕とスコットは喋ったんだけど、その彼が「Lifetimeを日本に連れて行くんだ」と言ってくれて僕とスコットで「そうなったら最高だね!」と話していたんだよ。でもどうやったら日本に行ける方法なんてないって気付いたんだけど。もしあの時の君が (このインタビューをしてくれている) 彼だとしたら、最高だ!日本でプレイするのが待ちきれないよ。

6.長年所属したJade Treeを離れ、Decaydanceと契約をしたきっかけは何でしょうか?

Peter: 新しいLifetimeのアルバムは、新しいレーベルで行こう。と僕らは考えたんだ。僕らが幾つものバンド経験を積んでるとはいえ、バンドとしてある意味、僕らにとっての新しいスタートだったんだ。そしてピート・ウェンツと会った時に、どれぐらい多くもしくはどれぐらい少なく僕らがやったかを自分たちで完全に取り仕切ることが出来ると彼が言ってくれたので、本当に良い人だと思ったし、僕らに取っても好条件だと思ったんだ。

Dan: 大きなインディーレーベルにいるほとんどのバンドは、キャリアとして音楽をやろうとしているし、一年中ツアーを回っている。僕らはというと、家族や子供、仕事、そして他のバンドといった責任もあるのでそんなにツアーは回れないんだ。僕らが本当に必要としていたのは、僕らに8ヶ月間のツアーに出ることを期待することなく、僕らのやりたい形でレコーディングさせてくれる資金を出してくれるレーベルだったんだ。DecayDanceはそのチャンスをくれた。

7.Decaydanceに所属はしたものの、メジャーレーベルからの流通に疑問があるため、日本ではbig mouth jpnからのリリースとなったと聞いてますがあなた方にとってメジャーとインディーの違いはどのようなところにあると思いますか?

Dan: インディーとメジャーの境界線があいまいになってきている時に、歴史上の今この時点で、非常に古くさい意見のように聞こえると思うんだ。僕にとってのパンクとハードコア、メインストリームのカルチャーの外部に存在する、もしくはその焦点から外れている音楽のためのカルチャーを築いた重要な歴史 (レコードレーベル、ディストリビューター、ライブハウスのネットワークを含む) も。1980年代のハードコアとパンクといえば、メインストリームのカルチャーに対抗することだったし、権力や政治、音楽にいる人々を批判することだった。メインストリームにいる企業世界が僕らと何もしたくないから、自分たちでインディペンデントなネットワークを築いてた。金銭的な儲けはなかったよ。アンダーグラウンド・ミュージックの領域が大きく変化して、“パンク”で何百万ドルも稼いでる人間がいても、インディペンデントという伝統を支持すること、そして僕が関わりたくないと思っている非倫理的ビジネスの利益 (例えば兵器製造など) に大抵関係している企業と無関係でいることに僕はいまだ重要性を強く感じているんだ。

8.現在アメリカでは多くのインディーレーベルがメジャーから資本を受けているような状態で真の意味でインディーと呼べるレーベルが減って来ていると思います。また若手のバンドにも少しでも早くメジャーと契約したいというような願望も見えるのですが。。。

Dan: これは複雑な質問だね。でもアンダーグラウンド・ミュージックにおけるメジャーレーベルの興味には僕はとても不審に感じているよ。あと、キャリアとして音楽をプレイしていると、気付かないうちに自分の情熱と創作力にかなりの負担をかけることになると思うんだ。

9.アルバムについてお聞きします。過去の作品にも負けないアグレッシブな楽曲が多く、僕にとっては、間違いなく2007年度のベスト5に入ると思うのですが、楽曲の制作/レコーディングについてはどのようなテーマを持って取り組まれたのでしょうか?

Peter: 君がそう思ってくれてるなんて嬉しいね! たぶん“テーマ”といったものや、こういう風に聞こえる曲を書きたいとか考える時間なんかなかったと思う。基本的に3月にピートのレーベルと契約したけど、7月か8月ぐらいまではあまり曲作りも開始してなくて、一気にやったんだ。実際、何曲かの歌詞は、アリがボーカルパートのレコーディング中にスタジオで書き上げたものなんだ。結果的に見事にやり遂げたということと、アルバムの出来が凄く良かったことを僕はとても誇りに思ってるよ。いろんなバンドが“再結成”してるけど、ほとんどの奴らは酷いもんだよ。

Dan: 僕らが最初に書いた新曲、“Haircuts & T-Shirts”に関して僕らはあれやこれやと悩みすぎたんだと思う。その曲のアレンジに関して満足してからは、まだまだ僕らはLifetimeの良い曲を書くことが出来ると自分たちに証明できたと思う。それからは全てのことがとてもスムーズに運んで、2、3ヶ月でアルバムの曲のほとんどを書き上げたんだ。

10.新作をリリースし、ツアーを続けて、現時点でバンドとしての次のゴールは何でしょうか?

Peter: もう少しツアーをやろうかって話はしてるよ。そして曲作りをしたりして4曲入りぐらいのEPシングルか何かを自分たちで出してみようかなって。

Dan: 実務的に上手く行ってるなら、僕はただみんなと一緒にプレイし続けたい。僕の友人と一緒に新しい曲作りをすることを楽しみにしてるよ。

11.来日決定おめでとうございます!多くのファンがこの日を待っていた事と思います。来日への意気込みを聞かせて頂きますか?日本についての印象等もあれば。

Peter: もの心ついたときから、ずっと日本には行ってみたいと思っていたよ。日本は僕が訪れたいと思っている場所のトップ5に常に入ってる。食べ物も好きだし、アメリカとは全然違う文化のある国だ。とにかく観光するのが待ちきれないね!

Dan: 僕もものすごく楽しみだ。ずっと長い間、日本には行きたいと思ってたけど実際に夢が叶うなんて初めてのことだよ。他のバンドから、日本でヴィーガンの食事をするのは大変だと聞いたけど日本食は大好物さ。あとはGauzeやForward、Hi-Standardといった日本のパンクバンドも大好きさ。

12.ちなみに今はどんな音楽を聞かれていますか?ツアー中に共演した若手でおすすめのバンドなどいれば教えて下さい。

Dan: パンク以外では、アンダーグラウンドのヒップホップやノイズ、ポップミュージックを良く聴いてるよ。今聴いてるのは、New Pornographers、the Channelsのアルバム、Aesop Rockの新作、Dalekの新作、MF Doomの前作、April March、Panda Bear、Ponies、あとはColiseumの新作。パンクに関しては、No Way RecordsとJade Treeからリリースされているものが好きで、Double Negative、Goverment Warning、Cloak/Dagger、Fucked Up、New Mexican Disaster Squadを良く聴くね。あとCareer Suicide、Blacklisted、 Ceremony、Modern Life is War、Look Back and Laugh、Tragedy、 Deathreat、Talk is Poison、the Steal from England、そしてドイツのバンド:Deny Everythingがオススメだね。

13.それでは最後にファンにメッセージをお願い致します。

Peter: 日本よ、Lifetimeは君たちを愛してるよ!

Dan: 君たちのサポートにとても感謝し、プレイ出来るのを本当に楽しみにしています。

今日はインタビューの時間を取って下さってありがとうございました。

Peter: いいえ、こちらこそありがとう!

interview by Daisuke Ihorihara(Connected Magazine)/translated by Junko Hanzawa

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